高安「中華そば」

「ラーメン激戦地」といわれる一乗寺で9年。盛衰の激しいかいわいでは、もう中堅から古参の部類に入るだろう。いまも長い行列ができる人気店のひとつだ(写真1)。
定番の「中華そば」(600円、写真2)は、中細ストレートのめんに、とりがら+とんこつの白濁スープ。かの「天下一品」を思わせる顔つきだが、しつこさがなく、意外なほどまろやか。1昼夜たき込んだというこだわりのスープらしい。
薄く大きなチャーシューはやわらかく、口の中でとろけそう。ビールのアテなどにも別注できる。ライスは150円で、量は注文しだい。居合わせた学生風のグループは山盛りのライスを頼んでいた。
店内の造りが凝っている。客席から厨房は見えない。表通りに沿って大きなガラス窓を取り、明るく開放的。ポップなBGMが流れ、円形のカウンターやしゃれたテーブル席はカフェの雰囲気だ。
客層も、いわゆる「ラーメン屋」と違って、おじさんの姿が少ない。若者が中心で、ベビーカーを押した若い家族連れやカップルも。女性客の比率は、おそらく京都のラーメン店では有数の高さではないか。
問題は、中華そばの「大盛り」がないこと。理由は聞いていないが、ラ党には大いに不満。京都市左京区一乗寺高槻町(東大路通北泉下ル東側)。

★★★★(店も味も丁寧なつくり)