祖父江ぎんなん

近所のすし店「味工房 うえ川」で、つきだしに「炙(あぶ)りぎんなん」が出てきた。
柿の赤い葉を下敷きに、目をむくような大粒のぎんなんがゴロゴロ。白い殻があぶられて真っ黒、はじけて中から青い実がのぞいているものもある。
大将に産地を聞いたら、愛知県の「祖父江(そぶえ)ぎんなん」という。県西部の稲沢市祖父江町は生産量日本一を誇る「ぎんなんの町」。普通のものより、ひと回り、ふた回り大きいのが特徴だそうだ。
なんでも、今から百年ほど前、ぎんなん栽培発祥の地といわれる地元の住民3人が名古屋へ売りに行ったところ、大粒のものが普通のものより6〜7倍の高値で売れたため、一帯で大粒ものの栽培が盛んになったとか。
ぎんなんの上には粗塩が豪快に振りかけられている。アツアツの殻を割り、中のホクホクの実をつけて食べると甘みが加わり、ビールが進む。