ミシュランが何だ

15年近く前。週1回、夕刊で「ラーメン探検」と称して京都のラーメン店巡りを連載したことがある。ご当地ラーメンブームのはしりで東京のテレビ局や雑誌が「京都ラーメン」を取り上げ始めたころだ。 大きなカメラやライトを担いだ取材クルーが大挙して店に…

ロシアラーメン「BIG BON」

これを食べるには少々勇気が要った。 まず、外装フィルムがない。カップがむき出し。大丈夫かいな? 表示も、商品名の「BIG BON」は読めるが、他はすべてロシア語でチンプンカンプン。中身も作り方も分からない(写真1)。 フタに鶏の絵が描かれていたから…

朝の赤山禅院

先週の三連休、京都の紅葉どころが一斉に見ごろを迎え、多くの人出でにぎわった。 東山、大原、高雄、嵐山などに向かう幹線道路は軒並み大渋滞。ゆっくり紅葉を楽しむには、場所と時間を外すほかない。 で、思いついたのが比叡山ろくの赤山禅院(せきざんぜ…

紀州そば 五代「黒天ざる」

和歌山のめんと言えば、和歌山ラーメンとばかり思っていたら「紀州そば」の店があった。初めて耳にするそばだが、これは入らねばなるまい。 和歌山城の堀端、三年坂下の「五代」(写真1)。民芸調の外観。地元のビル管理会社が経営するという変わダネだ。 …

広告2題

きのうの日経新聞で、2つの全面広告が目を引いた。 1つは、石屋製菓の「白い恋人」販売再開(写真1)。「約束します。こころ、むすぶ、お菓子へ」をキャッチフレーズに▽入念な製品検査、原料検査と品質管理の徹底▽衛生管理マニュアルによる厳重チェック▽…

人間ドック

ことしも1泊2日で人間ドックへ行ってきた。 「人間ドックは税金だと思え」との雑誌広告を見て「そうだ」と自分に言い聞かせて受診した。年に1度の定期点検。経費は会社の健保組合に2000円を払うだけだが、あちこちガタの来ている身、課された「義務」…

わが子の責任

親は、いつまでわが子の責任を負わねばならないのだろう。息子が覚せい剤所持で逮捕された女優・三田佳子さんの「謝罪」会見の様子をテレビで見ていて、そう思った。 彼女の二男は27歳。覚せい剤による逮捕は、少年時代も含めて3度目だ。会見では、当然の…

ちゃんとする

残酷な光景だった。きのうの東京国際女子マラソン。月桂冠をかぶった野口みずき選手が喜びの優勝インタビューを終え、笑顔を振りまいている画面の後方に、トボトボと今にも止まりそうな足取りでゴールに向かう渋井陽子選手の姿が重なった。 アテネ五輪、大阪…

和歌山

小春日和の週末、和歌山へスケッチに行ってきた。 最初は、大阪府最南端・岬町の淡輪(たんのわ)ヨットハーバー。波静かなマリーナに何隻ものヨットがマストを並べて停泊していた=絵1。 午後からは、和歌山城へ。55万5千石、紀伊徳川家の居城。戦災で…

歓迎「師弟復活」

これだけ暖かいと「ストーブリーグ」の言葉がそぐわないが、ことしもトレード話が活発になってきた。 広島からFA宣言した新井貴浩選手の阪神入りが濃厚になったという。決まれば、トラ党にはうれしい話だ。 新井選手には、ここという場面で何度痛い目に遭…

責任転嫁

船場吉兆(大阪市)の商品表示偽装を報じるテレビニュースで、勤め先近くのとり料理店(京都市中京区)が大写しになり、驚いた。よく行く同僚の話では、とろとろの溶き卵のかかった「からあげ丼」が名物だそうで、確かに昼時にはいつも店の前に行列ができて…

「神様」逝去

かつて稲尾和久さんと隣り合わせたことがある。もう30年以上前、西京極球場の記者室。こちらは駆け出しの運動記者だった。 自社の席につくと、隣に柄の大きな中年男性が座っている。チラッと顔を見た。ン? どっかで見たことあるぞ。なんと「神様、仏様、…

天皇の反省

外来魚のブルーギルは、ブラックバスと並ぶ琵琶湖の敵役だ。雑食性で繁殖力が強く、湖の生態系を破壊した元凶とされる。わが愛するフナズシをピンチに追いやったのも、彼らの旺盛な食欲のせいらしい。 そんな魚を日本に初めて持ち込んだのが、いまの天皇だと…

徳島ラーメン「ふく利/東大」

徳島みやげに、ご当地の売れ筋ラーメン2種(生めんタイプ)をもらった。 徳島は、知る人ぞ知るラーメンどころ。人口27万人に満たない徳島市内に、100軒以上もの専門店があるという。 とんこつと鶏がらを使った濃厚なしょうゆ味が主流らしく、「焦げ茶…

高安「中華そば」

「ラーメン激戦地」といわれる一乗寺で9年。盛衰の激しいかいわいでは、もう中堅から古参の部類に入るだろう。いまも長い行列ができる人気店のひとつだ(写真1)。 定番の「中華そば」(600円、写真2)は、中細ストレートのめんに、とりがら+とんこつ…

「フードファディズム」

副題に「メディアに惑わされない食生活」とある。著者は高橋久仁子群馬大教授(食糧化学)。玉石入り交じった身の回りの食情報に踊らされることなく、正しい食生活と健康のあり方を考えようとの提言だ。 高橋さんによると「フードファディズム(Food Faddism…

ずっこけ竜馬

嵐の大海原で、木の葉舟のように揺れる帆船。かじを握る小沢代表が甲板に吹き飛ばされる。ロープを操っていた菅、鳩山両氏がすばやく小沢代表を抱き起こし、3人で支え合う。やがて風雨がおさまり、タイトルが浮かぶ。「生活維新」−。 夏の参院選前に民主党…

ボウリング大会

朝起きたら、首が痛い。首だけではない。肩、腕、腰、ひざ、尻…みんなアイタッ、ター。 ゆうべの社内ボウリング大会の後遺症だ。ふだん歩くのは社内と、昼食時に会社の周辺をぶらつくぐらい。歩数にすれば1日3000歩も歩いているかどうか。そのツケだ。 …

正倉院展

奈良国立博物館で開催中の正倉院展(〜12日)へ行ってきた。すごかった。何がすごいって、人出がものすごかった。 平日の午前中にもかかわらず、チケット売り場の前には「ただいま15分待ち」の表示。会場の新館軒下には50mほどの列が3重にできていた…

ソーセージ純粋令

ドイツ東部のワイマールで、おもしろい古文書が見つかったらしい。ソーセージの厳格な製法を定めた最古の法令で、15世紀のものだという。 新聞記事によると、制定したのは地元の食肉組合。ソーセージの「王様」とされる「テューリンゲン・ソーセージ」につ…

冷泉家住宅/法然院

秋の「京都非公開文化財特別拝観」(〜11日)が始まった。今回は17カ所。文化の日、好天に誘われてこの中から冷泉家住宅(京都市上京区)と法然院(左京区)の2カ所を見て回った。 ふだん公開されない文化財を手軽に見ることができる貴重な機会。遠いと…

復活した優先席

ビジネスの世界で、よく「時代の半歩先を行け」と言われる。商機をつかむには、時流に敏感でなければならない。「時代遅れ」は論外だ。かと言って、1歩も2歩も先へ進みすぎては、みんながついて来れない。「半歩」の間合いが肝要、ということらしい。 8年…

「オレ竜」に異議あり

今から1年前、中日ドラゴンズがペナントレースを制した時のこと。旧知である親会社の新聞社幹部に出あい「優勝おめでとうございます。社内も盛り上がってるでしょう」と水を向けたら「そうでもないんですよ。監督があの通りですから」と意外な言葉が返って…

日清「カレーチキンラーメン」

日清食品の「チキンラーメン」に、新たに「カレー」が加わった(写真1)。 カレー味のチキンラーメンは、これが初めてではない。同社のホームページをさっと見ただけでも、1961年に「チキンラーメン プラスカレー」、63年に「同 ニュープラスカレー」…

釜たけうどん「ちく玉天ぶっかけ」

先日紹介した大阪・千日前「千とせ」の斜め向かい。狭い通りをはさんで、南向きの列が「千とせ」、北向きに並んでいるのが「釜たけ」の行列だ(写真1)。 看板には「讃岐手打ち」とある。一番人気は「ちく玉天ぶっかけ」(680円、写真2)。 極太のうど…

証人喚問

「事実は小説より奇なり」という言葉がある。数多くの事件を取材していると、時に思わぬ展開に驚かされることがある。「まるで小説の世界だ」「こんなことって、本当にあるのか」と想像を超える事態に戸惑いさえ覚える。 少し意味合いは異なるが、きのう衆院…

千とせ「肉吸い」

うどんからうどんを抜いたら、何になる? そう、だしつゆだけの「吸い物」だ。 その昔、そんなギャグのような注文をした客がいた。吉本新喜劇の「とぼけ」役で人気を集めた花紀京。二日酔いの昼食にやって来て「肉うどんのうどん抜き」を頼んだという。名物…

笑顔検出カメラ

みんながかしこまって写真機の前に並ぶ。写真屋さんが大きな声で「写しますよ。ハイ、チーズ!」。そのとき、どこにまぎれていたのか寅さんが「ハイ、バター」。一同、思わず噴き出して大爆笑。映画『男はつらいよ』に、確かそんなシーンがあった。 自然な笑…

西安食坊白梅町店「牛肉玉帯麺」

かつて「長安」と呼ばれた中国の古都・西安は、京都市と姉妹都市盟約を結んでいる。両市の交流は多方面で活発に行われているが、料理となると意外なほど知られていない。そんな西安料理を京都市内で味わえる数少ない店が「西安食坊」(写真1)だ。 中国人シ…

「やっぱり」と「まさか」

金大中氏拉致事件の再調査報告書が、きのう韓国の政府機関から発表された。目をむくような新事実はなく、これまで日本の捜査当局がおよそ描いてきた構図の範囲内だとされる。 事件は、やっぱり韓国中央情報部(KCIA)による組織的で計画的な犯行だった。…